偉人に学べ!英語にまつわる都市伝説


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英語話者に対する言語習得難易度表:
日本語は最高難度

出典元:英語話者に対する言語習得難易度表:日本語は最高難度 | A Successful Failure

少なからぬ日本人が日本語は難しい言語だと信じているようだ(日刊スレッドガイド : 日本人はなぜ日本語は世界一難しい言語と信じているのか?)。

言語の習得難易度は学ぶ対象とする言語と母語(第一言語)との間のあらゆる言語学的関係、および個々人の資質や学習環境に大きく作用されるため、一概に議論することはできない。学習者の生活する文化的背景、接触してきた言語(第二言語、etc.)によっても習得難易度は変わるため、世界中の人々に普遍的な世界一難しい言語というものは存在しない。ただ、英語を母語とする者にとっては、日本語は最も習得が難しい言語のひとつであることは確かなようだ。

外交官などの専門職を養成する米国務省機関である外務職員局(FSI: Foreign Service Institute)が英語を母語とする者が習得するのにかかる期間を元に各言語の習得難易度をまとめている(Language Learning Difficulty for English Speakers)。

FSIの生徒は平均年齢40歳程度の英語のネイティブスピーカーであり、正規の言語教育を受ける優れた適性があり、さらに他のいくつかの外国語に関する知識を有しているかなり優秀な人々である事に留意する必要がある。彼らは1週間に25時間のペースで、6人以下の少人数クラスで勉強し、さらに毎日3-4時間個人的な勉強を続けた。

彼らが、ILR scaleでSpeaking 3 (General Professional Proficiency)とReading 3 (General Professional Proficiency)を達成するのに要した学習期間をまとめたのが次の表だ。達成レベルは、日常的・専門的コミュニケーションにほとんど不自由がない程度まて習得したレベルに相当する。TOEICにすれば950点程度、英検1級レベルだと思われる(TOEICスコアレベル表参照)。

カテゴリーⅠ: 英語と密接に関連する言語 23-24週(575-600時間の授業)
アフリカーンス語
デンマーク語
オランダ語
フランス語
イタリア語
ノルウェー語
ポルトガル語
ルーマニア語
スペイン語
スウェーデン語
カテゴリーⅡ: 英語と大きな言語的ないし文化的違いを有する言語 44週(1100時間の授業)
アルバニア語
アムハラ語
アルメニア語
アゼルバイジャン語
ベンガル語
ボスニア語
ブルガリア語
ビルマ語
クロアチア語
チェコ語
エストニア語
フィンランド語
グルジア語
ギリシャ語
ヘブライ語
ヒンディー語
ハンガリー語
アイスランド語
クメール語
ラオス語
ラトビア語
リトアニア語
マケドニア語
モンゴル語
ネパール語
パシュトウ語
ペルシャ語
ポーランド語
ロシア語
セルビア語
シンハラ語
スロバキア語
スロベニア語
タガログ語
タイ語
トルコ語
ウクライナ語
ウルドゥー語
ウズベク語
ベトナム語
コサ語
ズールー語
カテゴリーⅢ: 英語のネイティブスピーカーにとって極めて困難な言語 88週(2200時間の授業)
アラビア語
広東語
北京語
日本語
韓国語
その他の言語
ドイツ語30週(750時間の授業)
インドネシア語
マレー語
スワヒリ語
36週(900時間の授業)

太字で示した言語は同一カテゴリの中でも他の言語に比べて英語のネイティブスピーカーにとって習得が特に難しい言語である。FSIのまとめによれば、最も難度の高いカテゴリーⅢにカテゴライズされたのは、アラビア語、中国語(広東語、北京語)、韓国語、そして日本語である。中でも日本語が最難とされているのは、日本語が最も英語と文字体系や文法体系が異なるということかもしれない。

さて、英語を母語にする者にとって日本語が最も難しいのであれば、日本語を母語とする者にとって英語は最も難しい言語のひとつとなるはずだ。とすれば、中・高・大と10年以上も英語を勉強しても全然英語がしゃべれるようにならないのも仕方ないことだと自分を納得させる人もいるかもしれない。

しかし、FSIの調査は同時に、最難度の言語でも真剣に88週、2年間も勉強すれば不自由しないレベルまで習得することが可能であることを示している。思考形態が根本から異なる宇宙人が操る言語ではないのだ。所詮は同じ人類の言語、10年もやっていて満足に使えないのはやはり努力不足ということだろう。もっと頑張らないとね。